輸入スクーターを楽しもう! Vol.6 ジレラ ネクサス500SSで北海道に行こう!
三日目 開陽台キャンプ場~オサルシナイ キャンプ場
早朝目を覚ますと、天気はかなり微妙。降り出してはいないものの、いつ降ってもおかしくない雰囲気。しかもかなりの寒さです。缶コーヒーを買い、テントの中で今日の予定を立てることにしました。テントの中でラジオを聴きながら、あーでもないこーでもないと悩みながらごろごろしている間になんと天候が回復してきました。嬉しくなり、急いでテントを畳み、出発の準備を始めます。そうこうしていると、ゆうべの宴で一緒だったライダーの方々がやってきて、お互いの今日の予定などを話しあったりしました。出発準備を済ませ、キャンプ場隣の食堂「ハイジの家」で320円の「ライダー定食」を朝食としました。
北海道ではビッグスクーターは少数派?
朝食の後に荷物をネクサスのところまで運んでいるとライダーの方が手伝ってくれました。そのまま話題はネクサスに。昨夜の宴に参加した、北海道までバイクツーリングにやってくるような人達の中ではスクーター人口というのは少数派で、皆さんジレラ ネクサス500SSを見たのは初めてとのことでした。排気量を聞かれたので460ccですと答えると、ネクサスのコンパクトぶりに驚いていました。見た感じ、国産250ccスクーターと同じかそれ以下なので驚くのも無理はありません。
荷物の一部をシート下スペースに入れていると、「スクーターはメットインがあるから便利だよな。そこなら雨でも平気っぽいし。俺も排気量の大きいスクーターでツーリングに行ってみたいなぁ」と言っていました。バイクには小物入れ程度はあっても、収納スペースと言える程のものはないのが殆どです。このクラスのスクーターとしては決して大きいとは言えないネクサスの収納スペースですが彼の目には新鮮に映ったようでした。荷物の積み込みを済ませ、ライダーさん達に別れを告げ、昨日のリベンジを果たすべく、いざ知床へ。
244号線、ウトロ方面から知床峠へ
昨日と同じルートではつまらないので、244号線で斜里町を抜け、ウトロ方面から知床峠を目指すことにしました。昨日は根室海峡、今日はオホーツク海を眺めながらのツーリングです。朝の天気が嘘のように広い青空に包まれ、空と海との境目が曖昧な程の水平線を眺めつつ走ります。
そんな贅沢な時間を過ごしながら走っていると観光名所にもなっているオシンコシンの滝がその姿を現しました。慌ててUターンをし、滝へと向かいます。 海とは目と鼻の距離にあり、滝から流れ落ちた水は海へと流れ落ちていきます。美しく涼やかな雰囲気の中、滝の近くでたっぷりとマイナスイオンを浴び、早くもリフレッシュしました。
再出発し、知床峠の頂上へ。展望台からの眺めはとても綺麗でしたが、快晴であれば見えるはずの国後島が見えなかったのが残念でした。景色を眺めるのもそこそこに、来た道を戻ります。下り始めてすぐに駐車スペースがあり、ふとそこで足を止めました。そこには右に羅臼岳、遠くにオホーツク海が顔を覗かせる、絶景の穴場がありました。
絶景の穴場発見!
はっきりいって、さっきの頂上よりも数倍素敵な場所に思えます。そして駐車スペースの横にはのんびりと昼寝を楽しめそうな芝生が。お茶を片手にしばし絶景に息を呑みました。あまりに綺麗でのんびりとした空間がそこにあり、移動するのがもったいなくって暫くそこを動きませんでした。というか、動けませんでした。こんな絶景にはそうそうお目にかかれないなぁと思いつつ、しばしのお昼寝タイム。
数十分後、名残惜しくもその場を離れ、今日の寝床である帯広へと出発しました。途中までは来た道を戻るような感じで進み、美幌町へ。昼食はコンビニ弁当で済ませ、大きな緑に囲まれた阿寒国立公園を抜けます。いくつもの峠をネクサスで駆け抜け、帯広へと向かいます。
北海道の道は広く、交通量も少ないため、知らず知らずにスピードがのってしまいます。前を走る車に普通についていってると自然と結構なスピードになってしまいます。乗っているのがネクサス500SSであれば尚の事。スピードの出しすぎに気をつけながら先へ先へと進みます。
ジレラ ネクサス500SSで砂利道を走破!
なんとか夕暮れ前には目的地である帯広の側の「オサルシナイ キャンプ場」近くまでたどり着けました。キャンプ場までの道がよくわからなかったのでコンビニで尋ねました。店員さんに地図を見ながら丁寧に教えていただき、食料とビールを買い、オサルシナイ キャンプ場へと向かいました。
細い一本道を進んでいくと、途中からいきなり砂利の林道へと変わりました。オフロードバイクでなら楽しい林道も小口径ホイールのスクーターではちょっとツラいものがあります。通常5分もかからない4km程の道を倍以上の時間をかけ、慎重に進みます。自分で決めたルートですが、まさかネクサスで林道を走る羽目になるとは・・・ しかし人間の順応性とは大したもので(?)、しばらくするとリアが滑る感覚にも慣れ、少し緊張しつつも、それはそれで楽しみながら走ることができました。>
オサルシナイ キャンプ場到着。しかし・・・
意外といけるものだとネクサスに感心しつつ、キャンプ場に着いた僕は驚きました。誰もいないのです。まったくの無人です。キャンパーやツーリングライダーはおろか、キャンプ場の管理人室にも鍵がかかっており、聞こえるのは虫の声だけ。さすがに移動しようかと思いましたが、夕暮れ過ぎにさっきの林道を引き返し、別のキャンプ場を探す気には到底なれません。
幸いトイレや水道などは使える様子でしたので、覚悟を決めて、広いテント設営場のド真ん中に陣取り、いつもより小さく見えるテントを立てました。
とても静かな夜でした。聞こえるのはかすかな虫の音だけ。そんな中、テントの中で「圏外」と表示する携帯電話を手の平で玩んでいると、現代社会から遠く離れてしまったような気になり、孤独を感じました。まぁ、たまにはこんなのもありかと開き直って、一人ぽっちの夜をビールを片手に読書をして過ごしました。 |