輸入スクーターを楽しもう! Vol.6 ジレラ ネクサス500SSで北海道に行こう!
二日目 鴨居村 つるいキャンプ場~開陽台キャンプ場
朝七時に起床。自販機の缶コーヒーで一服後、テントを片付けていると、近くにいたおじさんに声をかけられました。二人で話しているとまた一人おじさんがやってきて、三人であれこれと話しをすることになりました。お二人は現役を引退されて、車でのんびり北海道を旅しているとのことです。お二人ともネクサスに興味を持たれたようで「ドコの国のバイクなの?」「何CC?」などいろいろと質問され、やはり目を引くデザインのスクーターなんだなぁと改めて感心しました。ひとしきり話をした後、朝食をとるべく釧路へと出発しました。
ボリューム満点の刺身定食!
お腹が空いてきたので、釧路駅近くの和商市場で朝食をとることに決めたのですが、ここの名物の勝手丼は値が張るので市場内の食堂で刺身定食を注文しました。とは言っても、普段の僕の朝食メニューからは考えられない程のボリュームと豪華さで、今朝話をしたおじさんの「名物に美味いもの無しってな。わっははは。」との言葉を思い出しながら新鮮なお刺身を堪能しました。
食事を済ませ、今回の一番の目的地、道東・開陽台キャンプ場へ出発。途中の釧路湿原国立公園にも立ち寄り、展望台へと。眼下に広がる大自然は息を呑むほどでした。今まで日本各地のいろんなところに行きましたが、その日本離れした風景には島国のものではなく大陸の雰囲気を感じました。この自然がおりなす独特の風景は北海道の一番の魅力のように思います。
絶景中の絶景、開陽台キャンプ場
釧路湿原国立公園を出て、しばらく走った後に開陽台キャンプ場に到着。ここは高台に展望台があり、そのすぐ横がキャンプ場となっています。ここの目玉はなんといっても330度に渡って地平線が見渡せる最高のロケーションです。夜には晴れてさえいれば満天の星空が広がり、自然の大プラネタリウムとなります。更に無料で利用することができます。ここは僕の一押しスポットです。
先にテントを張り、荷物を降ろした後、身軽になったネクサスで知床峠へ向かいました。知床は先頃、世界自然遺産に登録されたのですが、こんなに多くの人が暮らしている地域が登録されるのは世界的にも珍しいのだそうです。そんな知床によりそう様にたたずむ国後島を目ざすように海岸線を走って行きます。
ルートとしては東の羅臼側から、反時計周りにウトロへ抜ける予定です。知床峠を目前に羅臼の道の駅で一休みしました。そこで「深海水のソフトクリーム」なるものを買ってみました。海水を使用しているため、ほんのりとしょっぱい、さっぱりとした味のソフトクリームでした。なかなかおいしかったです。そして、いよいよ知床峠へと向かいます。
ワインディングロードでのジレラ ネクサス 500SS
こんな峠道は高速道路に続き、ネクサスの本領発揮の絶好のステージです。フロント15インチ・リア14インチのホイールはミシェランのパイロットスポーツSC(ラジアル!)を標準装着しており、グリップは申し分なく、固めのサスペンションとの相性もバッチリです。一般的なバイクと比べれば径の小さいホイールはコーナーでもサクッと切り込みます。
エンジンを止め、押してみた時に感じたハンドリングの重さも、一旦走り出せばしっかりとした感じで、ふらついたりもせず逆に安心感があります。ブレーキもしっかりとしており、フロントはダブルディスク・リアはコンビブレーキで効きもばっちりです。コーナーぎりぎりで、きつめのブレーキングをしても、剛性の高い車体は挙動を乱すことなく、確実に減速します。
雨・・・そして旅の醍醐味、無料天然風呂
気持ちよく走っていると、頂上に近づくにつれ天候が怪しくなってきました。ガスというか霧雨というか、とにかく前が見えません。5m先を見るのがやっとな状況の中、ようやく頂上につきました。頂上は展望台になっているのですが、濃い霧のため景色を楽しむどころか、トイレを探すのにも苦労する状況です。
こんな霧ではどうしようもないのでウトロへ抜けるのは諦め、引き返すことにしました。ものの数Km程走ったら霧は晴れ、通常の視界が戻ってきましたが頂上からの眺めを楽しみにしていた僕は残念な気持ちでいっぱいでした。峠を下る途中、熊の湯という無料の天然風呂に入り、冷えた体を温めます。気を取り直して夕食を食べに中標津の市街地に向かうことにしました。
開陽台へと向かう途中によったガソリンスタンドで聞いた、道内にいくつもの店舗を持つお蕎麦屋さん「福住総本店」のことを思い出し、そこの蟹・海老天丼/お蕎麦のセットを注文しました。久々にボリュームのある美味しい夕食です。
「福住総本店」を出てすぐ側のコンビニでビールとつまみを買ってキャンプ場へと戻りました。夕日が沈みきる前になんとかたどり着き、しばし赤く染まった空に見とれていました。僕がキャンプ場へついたとき10人程のライダーたちが宴の準備中で、僕にも声をかけていただき、参加させていただくことに。それぞれのライダー達はいろんなところから来てて、さすが夏の北海道はライダーの聖地と言われるだけのことはあるなぁと改めて思いました。
キャンプ場でのライダー達とのふれあい
こんな風に今日初めて会った人達と酒を酌み交わし、話に華を咲かせられるのもツーリングならではの楽しみです。ジンギスカンをご馳走になりながら全員の共通の趣味であるオートバイの話で盛り上がります。
愛車自慢からこれまでのバイク遍歴、ツーリング先での話など話のネタは尽きないような感じでした。そんなきさくで陽気な人たちとの会話の合間に夜空に目をやると、そこには地平線の上に美しい星達が輝いています。その瞬間、それまでの旅の苦労など忘れてしまい、東京からはるばるここに来て、本当によかったとしみじみ感じることができました。これが旅の醍醐味なのかも知れません。
その後、急に寒くなったので宴はお開きとなり、各自テントに戻ることになりました。今夜は早めの就寝です。 |