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ベスパ GTS Super 300 インプレッション


海老名SAにて

第一印象と取り回し

国産車にはないVESPAらしい個性的なフォルムながら、コンパクトです。両グリップに手をかけ、押して見るとテールが少し重い感じがしますが、重心が低いせいか、苦労することなく扱うことができます。

乗車ポジションと足つき性

メインスタンドをかけ、自然に着座すると、椅子に座った際のように腰がやや立った姿勢になりますが、軽い前傾姿勢を取ったり、腰を後ろに引くなど、様々な姿勢を取ることができ、ポジションの自由度は高いです。

足つき性は、身長180cmの私でシートのやや前方に座って、両足の踵が付きます。イタリアスクーターとしてはまずまずの足つき性だと思います。

走り出してみて

走行中 トラクションコントロール搭載のおかげか、とても滑らかでスムースな走り。トルク感を感じる加速が印象的。普段大型バイクに乗っている人がいきなりGTS Super 300に乗っても、遅く感じさせない力強さがあります。

248ccのGTS250ieと比べると、原付き1台分もない わずか30ccの排気量の違いで、こうも違うのかと少し驚きました。

さらに排気量が同じ、前モデルのGTS 300 Superとも違う乗り味を見せ、エンジンからはVツインの鼓動感とも違うモダンなパルス感とでも言える、独特なフィーリングが生み出されます。

GTS Super 300の完成度の高さからくる楽しさは。同じVESPAのPXシリーズの、意固地もしくは偏屈とすら言える個性に合わせて乗る楽しさと違い、乗り手が何か意識することなく、そのままの個性を楽しめるのが大きいように感じます。

熱したナイフでバターを切るような滑らかさ

エンジン 表現するのが難しいのですが、バターを熱したナイフですーっと切っているときに感じるスムースさ、もしくは滑らかさのようなものを、GTS Super 300でのライディングにて感じることができます。このフィーリングは、持ち前の軽やかな加速感と合わせて、ピアッジオ最新クオーサーエンジンの最大の個性と言えるでしょう。

ただし滑らかでスムースだからと言って、国産ビッグスクーターのように快適だけど退屈ではなく、アクセルを開けて加速する時のシンプルな楽しさは、オートバイ/モーターサイクルのそれに近いと言えます。

また、前後12インチの小径ホイールながら、低速時の安定性は高く、渋滞時のノロノロ運転でも足をつくことなく走れるのが快適です。 教習所の一本橋試験に挑戦してみたくなるほどです。

ブレーキ

ブレーキのタッチは前後共にやや強め。制動力はいいのでABSと合わせて安心して使用できます。

下道での燃費 24.24km/リットル

給油時 49.7kmを走行後に2.05リットルを給油できました。燃費は24.24km/リットルとなりました。

思ったほど良くありませんでしたが、高速道路に向かう途中で事故渋滞に巻き込まれてしまったせいかも知れません。

ユーティリティ

シート下スペース プッシュキャンセルタイプのウィンカーはクリック感がなく、押しただけでは動作しているのかが分かりづらいです。

幅が狭いシート下スペース/ラゲッジスペースは、収納できるヘルメットをかなり選びます。フルフェイスタイプのヘルメットはまず無理で、シート前方のヘルメットホルダーを使う必要があります。

また、シート下スペースにはエンジンからの熱がこもります。スマートフォンなどの精密機器などを夏場に収納する際は気をつけた方がいいかも知れません。USB給電ポートを備えるグローブボックスもシート下スペースほどではありませんが、多少の熱気がこもります。こちらも夏場には注意が必要です。

高速道路の走行

東名高速を東京インターから走行

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高速道路でも下道で感じた安定性を発揮し、スクーターにしては大きめな排気量と合わせて安心して走ることができます。80km/hでのアクセル開度は半分程度で、走行車線は余裕を持って走れます。

90km/hを越えるころからグリップとステップから振動を感じ始めますが、追い越し車線、100km/h程でも速度的にはまだ余力を感じます。ただ、この速度だと風圧が厳しくなります。

ベスパ GTS Super 300のデザイン上、伏せる姿勢を取ることは難しく、正面からの風をもろに受けることになります。GTS Super 300で高速道路を長距離を走る際は、フライスクリーンかラージスクリーンの装着を考えた方がいいでしょう。

トラックに抜かれる際の横風などでふらついたりもしないので、正面からの風さえ対策すれば、100km/h以上の走行車線も快適に走れるかと思います。

高速道路での燃費 33.01km/リットル

給油時のメーターパネル 高速道路を107.3km走行した後にで3.25リットルを給油できましたので、高速道路での燃費は33.01km/Lとなりました。

一般道との差が大きいですが、東名高速で渋滞にはまってた上での、この数字はなかなかと思います。

まとめ

日本人は海外製のスクーター、特にヨーロッパブランドのスクーター/モーターサイクルに対して、憧れと優越感の入り混じった複雑な思いを持っており、イタリア製モデルの個性を褒める際などに「アバタもエクボ」や「馬鹿な子ほど可愛い」的な文脈から離れられない場合が多いのではないでしょうか。

このベスパ GTS Super 300がもつ魅力は、工業製品としての優れた部分から感じられるものが多く、これはビンテージベスパにはない新しいVESPAならではのものといえるでしょう。この優れたクオリティゆえの魅力と個性は、Vespaはもちろんイタリアスクーターに乗ったことのない人にでも、走り出せばすぐ感じることができるものと思います。

「ベスパだから」とか「イタ車だから」とか気負うことなく楽しめる乗り味と、ABSやASRトラコンなどで現代的な安全性を両立したVespa GTS Super 300は、VESPAの進化をまざまざと感じることができる最先端なモデルです。

コネクティングロッドでは ベスパ GTS Super 300の試乗車をご用意しています。ぜひお気軽に店頭にてご試乗ください。

ベスパ GTS Super 300 紹介ページ
https://www.connrod.com/vespa/gts-super-300.html

※当記事は個人の感想に基づいて作成されています。何らかの性能、効果、パフォーマンスを保証するものではありません。


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