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マラグーティ ファントムマックス250 インプレッション

文:繁野明治

マラグーティ ファントムマックス250 2005年に日本上陸を果たしたマラグーティ ファントムマックス250は姉妹車である人気のF12 ファントム50 ドカティコルサに瓜二つといったルックスを備えており、シャープなフロントマスクが攻撃的な印象を受ける。 プロジェクターライトを搭載したツインヘッドライトも斬新な印象で、このスクーターの大きな特徴ともなっているようだ。

クラス最軽量のイタリアンスクーター

この車両、ピアジオ製クオーサーエンジンを搭載し、さらにクラス最軽量の車重を誇ることから元々のエンジンパフォーマンスをフルに発揮できることが予測される。車体自体はF12 ファントム50 ドカティコルサよりも大柄ではあるが、このクラスの他機種に比較するとかなりコンパクトなサイズとなっており、車体の軽さも手伝って女性でも簡単に取り回しできるほどである。

またがってみるとシート高は若干あるものの、シート前方はかなり絞られた作りとなっているために足つき性はさほど悪くない。ハンドル位置もごく自然な感覚で、シートとの相性もよさそうである。また、この車両の3連式のメーターパネルもデザインにこだわったものが感じられ、設計者のセンスの良さが伺える。

ノーマルながら退屈することのない迫力のエキゾーストノート

エンジンを始動させてみると静かながらもレーシーな迫力あるサウンドが響き渡る。マフラーは音量基準や排気ガスの問題もあり、メーカー側としてはそれら問題をクリアしなければならない。

そのため、音はただ抑えられているものが多いのであるが、実際にはあまりおとなしいものであると乗っていて退屈してしまう場合も多いものである。 純正でありながらも退屈することのない迫力が備わっているのは一つの楽しみでもある。

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パワフルにしてフラットな加速性能

スロットルを開けてみると低回転から大きなトルクを発していることが確認でき、そのまま高回転まで一気に加速する。加速自体はフラットな特性を備えているために扱いやすい。 高速走行テストにおいても8900rpmでメーター読みで150km/hを記録することができた。実際にはもう少し回転数は伸びることが予測されるため、さらに最高速は伸びることであろう。

しかしこのクラスのスクーターでこのスピードは驚きである。これはいかに速いエンジンであることを意味している。しかしそれだけではなく、車体の軽さがこれだけのポテンシャルを引き出させているのである。

街乗りからレースまで楽しめるライディング性能

実際にレースにおいても先日のSCOOTER-1レース開幕戦では優勝という成績を収めることができるだけのポテンシャルを持っている。それだけのポテンシャルを持ちつつも街中走行での扱いにくさは感じさせないところが素晴らしい。車線変更なども実に軽快で、思い通りのライディングを可能にさせてくれるものが感じられた。気軽に近所の買い物からツーリングまで、そしてワインディングまでをカバーする広いキャパシティーがこのファントムマックス250の大きな魅力である。