輸入スクーターを楽しもう!
Vol.08 マラグーティ パスワード250でロングツーリングを楽しもう!
ヨーロッパではもはや定番となったラージホイールスクーター。このたび日本で新発売されたマラグーティ パスワード250も前後16インチというバイク並の大口径ホイールを搭載しています。バイクの足回りにスクーターの楽さを兼ね備えたパスワード250の走りを名古屋までのタンデムツーリングで試してみました。
報告者:伊地知勝朝
第一印象
第一印象としては、まず足つき性の良さが挙げられます。身長164cmの私がまたがっても、両足のつま先がつくので足でバックもでき、取り回しに不安を感じることはありませんでした。
シートの高さ自体も、輸入スクーターの中では低く、それに加えてフラットタイプのステップを採用したことが大きいように思われます。250ccのイタリアンスクーターではおそらく初の、このフラットなステップは気軽に乗り降りできるのが魅力です。更に足元に荷物を置くことができるのでちょっとした買い物などにも便利です。
またラージホイールスクーターといいますと、その大きなホイールゆえにシート下スペースの容量の確保が難しく、小物入れ程度の容量やシート下スペース自体無いモデルが多かったのですが、パスワード250は小さめのヘルメットながら(モモデザイン Mini MOMO)が収納でき、純正装備のリアトップケースにはフルフェイスヘルメットが収納可能です。
一般道走行
走ってみての感想は、低速から吹けあがるタイプのもの多いイタリアンスクーターよりも、乗り味が国産スクーターのものに近く、低速よりも中間域からスムースに立ち上がっていく感じです。
前後16インチのホイールは、Uターンや10km/h程度での走行時にハンドリングが若干重く感じたりはしますが、それ以上の速度になると高い直線安定性を感じ、一般道での白線やわだちなどにタイヤを取られることもないので、小口径ホイールを採用したモデルより少ない疲労度で走ることができるように感じました。これはラージホイールスクーターならではの大きなメリットでしょう。
フロントサスペンションはまだ当たりがでていないのか、若干硬めのようにも思いましたが、ハンドルが重く感じられることはありませんでした。ある程度スピードを出している状態で、少々ラフにハンドルを切り返しても、フラットタイプのステップを採用しているモデルにありがちなフレームのヨレを感じることもありません。パスワード250のシートは国産ビッグスクーターのものと比べると小ぶりに見えるので、名古屋までの長距離はどうかなと思ったのですが、実際走行してみると、後ろにパッセンジャー(身長150cm)を乗せても狭く感じることはなく、適度な堅さを持ったシートでお尻が痛くなることもなかったです。
デュアルタイプのヘッドライトは明るく、輸入車にありがちな暗い感じもなく安心して走行できます。デジタル/アナログ併記のメーターパネルは視認性もよく、パスワード250に乗ったばかりでも違和感なくすぐに慣れることができます。スリムな車体ですので、タンデムステップを降ろした状態でも、渋滞時などのすり抜けに問題はなく、縁石に気を使いながら走る必要もありませんでした。
高速道走行
今回は首都高などと比べると流れが速い東名高速で名古屋まで走ったのですが、一般道走行時の際に感じたのより高い安定性を感じることができました。
私の場合、通常の小口径スクーターで高速道路を走ると、どうしても無意識にステアリングを手で支えようとし、腕や手首に力が入ってしまい疲れることが多いのですが、高い直進安定性を持つパスワード250だと腕や手首に無駄な力をいれる必要がなく、快適に走ることができました。
この辺の安定性はもちろんオートバイにはかなわないのでしょうが、ギア/クラッチ操作が不要なオートマティックスクーターであることを含めて快適さ及び楽さ加減を総合的に考えると、オートバイ以上のものを持っているのではないかと思いました。
ステアリングだけでなく、エンジンも安定した特性を持ち、90km/h以上の速度でもうなるような感じがなく、軽自動車での追い越しよりスムースなんじゃないかと思えてしまった程で、サービスエリアからの合流にもまったく不安は感じません。意外だったのはメーターバイザーで、小さめながらちゃんと機能し、前方からの風を上手く受け流していて、高速道路走行でありがちな風による疲労を大分軽減してくれます。
また、今回はトップケースに荷物を詰め込んでの二人乗り走行でしたので、走る前に横風には気をつけないとと思いましたが、実際の走行では横風でふらつくこともなく、ここでもラージホイールの効果を感じることができました。
同乗者の高速道走行感想
私はバイクには詳しくないので、体がむきだしのままシートベルトもなく100km/h以上のスピードで高速道路を走るのは、ジェットコースターに乗るのより怖いかも・・・と出発前は緊張していましたが、タンデムシート故の視線の高さのおかげでそれほど怖い思いをすることはありませんでした。パスワード250のタンデムシートはポジションも楽で前屈みの姿勢になることもなくリラックスして高速道路でも乗車できました。
強いて言うならば、150cmと小柄な私にはシートの幅やステップの位置で少々つらくはありましたが、トップケースによりかかることもできて、ポジション自体の自由度は高かったです。ぜいたくを言うならばバックレストがあれば、後ろに乗る人はもっと楽になれると感じました。走り終わっての感想は出発前の緊張がウソのように楽ちんで、昼過ぎでの高速道路走行中に何度も居眠りをしてしまった程です(笑)
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