「ジレラ」といえば、世界で初めてバイクを市販したメーカーでもあり、第一次大戦の翌年には500ccのオートバイを開発し、主要なグランプリレースを総ナメにした歴史を持っている程、スポーツ・モーターサイクルの血統を受け継ぐブランドです。
このランナー180SPは水冷2スト単気筒21PSという過激なスペックであり、一般的に「ジレラ ランナーは速い」というのは定説であるかのように良く言われていますが実際に速いのです。笑いが出るほど早いのです。そこで、どれだけ速いのか当店のダイノマシン250で測定した結果をここでご紹介致します。
速い速いといっても、何かと比較したほうが判りやすいと思いますので、マジェスティ250との比較を試みました。2スト、4ストの違いはありますが、マジェスティと比較して250ccと180ccの排気量を感じさせないほどに速いです。加速0→1秒までは、双方とも同じような加速感ですが、その後は圧倒的にランナーが勝っていることが判ります。ちなみに最高速度は、マジェスティは約130km/h、ランナーは約150km/hでした。
青い線がランナー FXR-DD SP180、赤い線がヤマハ マジェスティー250
グラフを見ても判るように、出だしのパワー特性は同じような感じですが、30km/h~120km/hの中間・高速域でのパワーの出力特性はランナーの方がはるかに勝っています。一番顕著に現れているのが50km/h~60km/hのレンジで約4馬力、前者のレンジを除く40km/h~85km/hのレンジでも約2馬力もパワーの出方に差が出ております。
今回は、街乗りでの使用を前提にチューニングをしました。つまり最高速度を追い求めるのでなく、まんべんなくパワーが出て、かつノーマルが弱いところのパワーを補う目的でチューニングをして街中で乗りやすいようにセッティングをしました。
結果は、グラフの通り25km/h以降のすべてのレンジでハイ・パワーが計測され、特に40km/h以降では0.4馬力、120km/hでは5馬力の出力アップに成功しています。実際に乗った感覚では、「自分の意思がはっきりランナーに伝わり、きびきび動き、乗りやすくなった」感じがします。
青い線がランナー FXR-DD SP180 チューンナップ済、
赤い線がランナー FXR-DD SP180 ノーマル車。
このように、ランナーは「もともと速い」(素材の良さ)に加えてマロッシ等のパーツを組み込んで「発展性の楽しみ」(チューニングの可能性)までも味わえるスクーターです。参考までに、ここまでの性能を引き出すチューニングは、ただ単にチューニング・パーツを組み込むだけではその威力は発揮されないと考えています。そうです、キャブレターやウエイトローラーなどのセッティングが重要となります。当店ではチューニングマシン「ダイノマシン250」とチューニングのスペシャリスト・店長の吉田がいての結果だと考えております(ちょっと自慢させてください)。